和紙をつかった切り絵 〜関西扇面芸術展にて〜
関西扇面芸術展終了しました。
昨年に引き続きの出展でした。今回も様々な作品を拝見し、お馴染みの出展者様とも交流させていただき沢山のことを学ばさせてもらいました。
墨彩画や書など、別ジャンルですが色彩、構図、画材の使い方、など同じアートなので切り絵と共通することも多く、今後の制作に活かせることばかりでした。
さて、今回の出展作品についての紹介です。
まず制作期間としては、およそ一ヶ月半です。
前回の反省を生かし、インパクトのある絵、今までにないような切り絵の表現をしたく、和紙やマスキングテープを多用するなどして自分らしさも込めた作品しました。
切り絵ならではのシンメトリーな構図を活かし、見てていて心地よいバランスも目指しました。
そして題材は死後の世界。自分の理想とする死後の世界を描きました。
というのも、きっかけは自分の身のまわりで「死」に直面することがあったからです。
制作の動機は、ひとりの人に向けて、どうか何の苦しみもない楽園にいってほしいと思いを込めて作った作品です。 作品を作りはじめたとき、その人はもう先が永くないことがわかっており、自分にはどうすることもできませんでした。
できるだけ苦しまずに、そして死後も苦しみから逃れて楽しく過ごしてほしいと願い、この作品をつくりました。
作品を作ったところで何が変わるわけでもなく、ましてやただの自己満足に終わることはわかっていましたが、作品づくりを通して、その人との思い出を振り返ることができました。
作品を見せることは叶いませんでした。
しかし、この作品があの世とこの世を繋ぐ窓口のようなものになり、あの世でいつも私のことを見守ってくれているような気がします。
タイトル:「楽園へ」
サイズ:725×515
最後にの作品の制作を通して気づいたことを綴りたいと思います。
和紙の扱い方についてです。広い会場でも目をひく作品、斬新な表現、色づかいについても今までの自分の作風とは違う形を心掛けました。和紙をつかいつつもモダンな雰囲気で、絵の中に引き囲まれるような独特の世界観を目指しました。
ただ難しいもので、和紙を強調したがために、切り絵の良さが半減される結果となりました。メインの切り絵が和紙のインパクトに負けてしまったのです。
和紙はそれだけで完成された作品ともいえるので、確かに絵の中にいれるのは細心の注意が必要だということがわかりました。これはマスキングテープもいえることだと思います。
絵全体のバランスを考えて、またメインの切り絵を引き立たせるような彩色が重要であると思いました。
この気づき、同じ出展者から頂いたアドバイスから生まれました。
本当に感謝です。
こういった自分には見えなかった気づきが見えるのも、こういった審査ありの展覧会で出品することの良さでもあります。
これから作る作品の参考にしていきたいです。
最後に・・・。
公私ともバタバタしており、制作〜搬入もかなりギリギリでした。今後は今以上に時間に余裕をもって取り組みたいです。来年もさらにパワーアップした作品が披露できるよう頑張ります!
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